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法律のお話し③【錯誤】
【錯誤】
Q 金融機関Aは,B社が大幅な債務超過にあり破たんすることが明らかであることを知りながら,連帯保証人をつけることを条件に融資を行い,また連帯保証人との間で保証契約を締結しましたが,その際連帯保証人CはB社が破たん状態にあることを知りませんでした。
その後,AはBから弁済を受けられなくなったため,Cに対して保証債務の履行を請求したところ,Cは,保証契約締結時においてB社が破たん状態にあることを知らなかったのだから保証契約は無効であると主張し支払いに応じませんでした。この場合、銀行は支払いを受けることができるでしょうか。
A できない可能性があります。
主債務者が破たん状態にないことは,連帯保証人が保証契約を行うことの動機に該当すると考えられます。動機に錯誤がある場合,その動機が相手方に明示的又は黙示的に表示されていれば保証契約は民法95条により錯誤無効となります。
融資の時点で破たん状態にある債務者のために保証人になろうとする者は通常存在しないというべきだから,保証契約の時点で主債務者が破たん状態にないことは保証しようとする者の動機として一般に黙示的に表示されているものと解されるとした裁判例(東京高判H17・8・10)によれば,本件でも錯誤無効の主張が認められる可能性があります。
以上
2014年1月28日 10:35 - カテゴリー: 法律のお話し
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