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法律のお話し⑦【社員が不倫している場合】


■従業員の不倫

■妻子ある男性従業員が,社内の女性従業員と不倫関係にある場合の問題について

 不倫とはいえ,男女間の問題は私生活上の問題であり,原則として会社が関与すべき問題ではありません。
 しかし,それが会社の風紀,秩序を乱し,会社の業務の正常な運営に悪影響を及ぼすような場合は,懲戒処分もやむを得ないときも出てくると思われます。ただし,どのような場合に懲戒処分が可能か,特に懲戒解雇が適法な場合はどのような場合かの判断は,個別の事案ごとに様々な要素を総合的に考慮して行われるものですので,どのような場合に処分可能かについての一般的な基準を示すことは困難な面があります。
 とはいえ,不倫が新たなトラブルを引き起こしたり,会社のイメージダウンになるなど,会社がこれを放置することにもリスクがともなうことから,会社としても何らかの対応が必要になることもあると思われます。
 そこで,会社としては事実関係を確認した上で,事実関係が認められた場合,まずは当事者に口頭で注意を行い,当事者における問題解決を促すことが考えられます。そして,口頭で注意を行うだけでは改善がみられない場合は,当事者の一方又は双方の配置転換を行い,少なくとも業務中に当事者が顔を合わすことがないようにすることも考えられます。
 口頭注意を行っても,配置転換を行っても,不倫関係が継続し,業務に支障が出ているような場合に初めて,その支障の程度によって懲戒処分を検討するというのがよいように思います。そして,懲戒処分を行う場合でも,比較的軽微な懲戒処分から段階的に行い,懲戒解雇は最終手段と考えておくべきです。
 会社が懲戒解雇を検討している場合でも,まずは自主的に退職するように促すことが現実的と思われます。
 なお,不倫をしている従業員自身は,会社との関係以外でも様々な不利益を被る可能性があるという点についてもご留意ください。

 以上

2014年3月10日 10:33 - カテゴリー: 法律のお話し
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